
全世界史 下巻(新潮文庫)
出口治明
新潮社 / 2018-07-01
この本について
歴史の本を読んでいて、「結局いまの世界と自分の生活にどうつながるんだろう」とモヤモヤすること、けっこうありませんか。名前だけ知っている出来事が点のままで、線にならない感じです。僕もそうでした。特に仕事で判断に迷うとき、背景の文脈を知らないまま動いている気がして、どこか落ち着かなかったんですよね。 この下巻は、そんな“点がつながらない不安”をほどくように、世界の動きをゆっくり一本のストーリーにしてくれます。新大陸からのジャガイモがヨーロッパの飢餓をどう変えたかとか、東西冷戦が技術革新の差につながった理由とか、一見バラバラに見える出来事が「そういう流れだったのか」と腑に落ちる瞬間が多いんです。科挙がヨーロッパにも影響していた話なんて、仕事で制度や仕組みを考えるときにも意外と使える視点でした。 しかも、この本は偉人を神話化しないので、世界史が“正解を覚える科目”じゃなくて、“人間がどう試行錯誤してきたかの記録”として読めます。ジャンヌ・ダルクが聖人扱いになったのが20世紀に入ってからだとか、メディチ家の美術品がなぜ残ったかとか、長い時間の中で評価も価値も変わるんだなと実感できます。 歴史を「現在のヒントとして使いたい人」に特に合うと思います。自分の考えをひとつ外側から見たいとき、ちょうどいい距離感で世界の動きを教えてくれる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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