
起業のすすめ さよなら、サラリーマン (文春e-book)
佐々木 紀彦
文藝春秋 / 2021-10-26
この本について
会社の中でそれなりに責任はあるのに、「結局どこまでいっても自分の裁量じゃないな…」みたいな虚しさって、ときどき顔を出しますよね。忙しくしているはずなのに、自分で人生を運転している感覚が薄いというか。かといって、いきなり起業だなんて勇ましい話も現実味がない。そんな揺れの中にいるとき、この本はちょっとだけ視界を広げてくれました。 強く響いたのは、起業を“成功物語”として語らない姿勢でした。著者が言う「逃げ道がなくなる」「自分=会社」という話は、聞いていて決して甘くありません。でも同時に、自分が動けば社会への作用がすぐ返ってくるという、あのリアルさが妙に腹落ちしました。起業が特別な才能の話じゃなく、「当事者意識の上限をどこに置くか」という日常レベルの話として読めるのが良かったです。 また、ニッチに尖らせるとか、ビジネスモデルを“健康診断”するみたいな地に足のついた視点も多くて、スタートアップに関心がある人はもちろん、今の会社で新規事業をやっている人にも刺さるはずです。「足元を固めろ」というメッセージもあり、無茶な背中の押し方をしてこないのも安心でした。 会社の外に出るかどうかはさておき、「自分で選んで動く感覚」を取り戻したい人にちょうどいい一冊だと思います。
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