
薬物依存症 【シリーズ】ケアを考える (ちくま新書)
松本俊彦
この本について
人がなにかに「やめられない」と感じるとき、意志が弱いとか自分がダメだとか、つい自分を責めてしまうことがあります。でも実際は、やめられなさの正体がよく分からないまま、モヤモヤだけが積み上がっていく人のほうが多い気がします。とくに「つながり」や「苦痛から離れたい気持ち」が関わってくると、単純な根性論では片づけられません。 この本を読んで刺さったのは、依存の中心にあるのが快感ではなく「苦痛からの避難」だと丁寧に描かれているところです。やめ続けることの難しさも、脳の変化や、否認が強まってしまう心の動きを踏まえて説明されていて、読んでいて自分の中の「何かから逃げたい気持ち」と重なる部分がありました。また、「安心してやめられないと言える場所」が回復の条件だと語られていて、これは薬物に限らず人間関係や仕事の悩みにも通じる視点だと思います。 依存を“異常な行動”として突き放すのではなく、つながりを求める人のごく自然な流れの中で起きてしまう現象として描いてくれるので、自分の身近な問題として受け止めやすいです。誰かを責めずに現実を理解したい人、あるいは自分の「やめられない」感覚に静かに向き合いたい人に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの53%が集中しています。
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