
宗教改革の物語 近代、民族、国家の起源 (角川ソフィア文庫)
佐藤 優
KADOKAWA / 2019-01-24
この本について
仕事でも日常でも、「いま自分が立っている前提ってそもそもどこから来たんだろう」とモヤッとする瞬間があると思います。国とか民族とか、当たり前のように使っているはずの概念が、いざ考えてみると足元がふわっとするような感覚。僕もその感覚を放置してきた結果、ニュースを見るたびに立ち位置が揺れることが増えていました。 この本は、そんなモヤモヤを歴史の深いところからほぐしてくれます。特に刺さったのは、ヤン・フスが「目に見える教会」と「目に見えない真実の教会」を分けて考えた視点でした。組織の中に属していても、本質的にそこにいるとは限らないという話は、現代の会社組織にもそのまま重なる部分があります。また、民族や国家が「近代の発明」に近いものだという指摘も、僕たちが当然だと思っている枠組みがどれだけ後付けなのか気づかせてくれます。もう一つ印象的だったのは、人間中心主義への疑問が第一次世界大戦以降に突きつけられたという流れで、科学技術が光と闇の両方を生んだという現実に、どこか自分たちの判断基準の脆さが見えてきます。 歴史の話ではあるのに、いま自分がいる社会の成り立ちを問い直したいときにしっかり効いてくる本です。「いまの前提を少し距離を置いて見たい人」に向いていると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの30%が集中しています。
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