
上野千鶴子のサバイバル語録 (文春文庫)
上野 千鶴子
文藝春秋 / 2019-04-10
この本について
仕事でもプライベートでも、「この組織、なんでこんなに変わらないんだろう…」と立ち止まる瞬間ってありますよね。内部からいくら声を上げても届かない感じや、理想論だけでは前に進まない現実に、私もよくモヤモヤします。 この本が刺さるのは、そこに上野千鶴子さんが淡々と言い切る「組織に自浄能力はない」という現実です。冷たく聞こえる言葉だけど、読んでみるとむしろ気が楽になるんです。変わらない相手を力づくでどうにかしようとしなくていい、と視点が切り替わるから。上野さんが東大でのセクハラ対策を動かした時のように、相手の「こだわり」や「弱点」を利用して、現実的な突破口をつくるという発想も、日常の小さな局面に置き換えると意外と応用できます。 それに、この本は組織論の教科書ではなく、上野さんが長い時間をかけて集めた「生き抜くための言葉集」に近いです。強い主張に見えて、その裏にある生活感や観察の積み重ねが、こちら側の迷いを否定しないまま背中を押してくれる。自分の無力感をごまかさずに、それでも次の一歩を探したいとき、ちょうどいい距離感で寄り添ってくれます。 特に、「もう少しうまく立ち回れるようになりたいけど、芯は失くしたくない」という人にはしっかり届くはずです。
読書インサイト
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