
家父長制と資本制 マルクス主義フェミニズムの地平 (岩波現代文庫)
上野 千鶴子
岩波書店 / 2009-05-15
この本について
仕事でも生活でも、「どうして男女平等ってこんなに言われ続けてるのに、現実は全然追いつかないんだろう…」みたいな、言葉にしづらいモヤモヤが残ることがあります。制度の問題なのか、文化なのか、自分の立ち回りなのか、どこに原因があるのか分からないまま、なんとなく置き去りにされる感じがするんですよね。 この本が面白いのは、そのモヤモヤを “市場” と “家族” という二つの領域の関係から丁寧にほどいていくところです。マルクスは市場の理論を極限まで磨いたけれど、家族を分析の外に追いやってしまった。その「外部」に女性が置かれ続けた理由を、フェミニズムの視点と組み合わせて見ていくと、近代社会の構造そのものが浮かび上がってきます。働けば解放されるわけでも、家庭にいれば安心なわけでもない。その“どちらにも居場所がない感じ”が、どこから来ているのかがようやく言語化される感覚があります。 読んでみると、解決策を押しつけるタイプの本ではなく、「理想と現実がなぜ埋まらないのか」を歴史的に確認しながら、自分の立ち位置を少し冷静に見直せるようになる一冊でした。特に、男女平等を信じているのに、議論がいつも空回りしてしまうような人にはしっくりくると思います。 こんな人に刺さります。 “平等であるべきだと思っているのに、今の社会の構造がどう絡んでいるのか掴みきれずにいる人”
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