
女の子はどう生きるか 教えて,上野先生! (岩波ジュニア新書)
上野 千鶴子
岩波書店 / 2021
この本について
最近、「がんばれば何とかなるはずなのに、現実がついてこない」とか、「男女で同じように生きてるつもりなのに、見えない壁みたいなものにぶつかる」といったモヤモヤを抱えている人、多い気がします。自分の努力不足なのか、社会の問題なのか、判断がつかないまま走り続けてしまう感じがあるんですよね。僕も似たところでよく足が止まります。 この本が面白いのは、「正しさ」を押しつけるのではなく、今の社会の“構造”を一段引いて見られるようになるところです。たとえば、がんばってきた自分を肯定しつつ、その努力が実は環境に支えられていた事実を静かに示してくれます。そこを理解すると、報われない誰かを見下す気持ちが自然と弱まるし、自分が弱ったときに人に頼ることも前よりしやすくなる。同時に、職場や家庭など複数の価値観に触れることが、予測不可能な時代に生きるための「筋トレ」になるという視点も、日常の行き来に意味が生まれて救われました。 フェミニズムを「特別な思想」としてではなく、弱さを抱えたまま尊重されるための態度として語ってくれるので、構えずに読めます。性別の話に限らず、社会のほうがこちらをカテゴリーに押し込んでくる現実を、見ないふりしないための道具が手に入る感覚があります。 こんな人に刺さると思います。自分の置かれている環境がうまく言語化できず、生きづらさの正体を知りたい人。自分の視界が少し広がる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの42%が集中しています。
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