
世界史とつなげて学ぶ 中国全史
岡本 隆司
東洋経済新報社 / 2019-07-05
この本について
日々ニュースを追っていても、中国の動きがどうもつかみにくい…そんな感覚をずっと持っていました。今いまの政治や経済だけで説明しようとすると、どうしても表面的になるし、歴史を遡るにも範囲が広すぎて迷子になる。たぶん、このあたりのモヤモヤは多くの人に共通していると思います。 この本を読んで腑に落ちたのは、「中国の今」を理解するには、遊牧と農耕の共存や、官と民の長い乖離といった“積み重なった構造”を見る必要があるということでした。たとえば、まったく違う生活様式が出会った場所で文字が生まれた話や、明・清以降で官民のバランスが崩れていくプロセスは、現代の分断や統治の難しさをそのまま照らし返してきます。また、モンゴル帝国の多元的な協働の仕組みが、グローバル経済の原型のように読めるのも面白いところで、「今起きていることは急に始まったわけじゃないんだな」と視界が広がりました。 大げさに未来を断言する本ではなく、むしろ「構造を知っておくと、ニュースの見え方が変わる」タイプの一冊です。現実的な距離感で、歴史と現在をつなげて考えたい人にちょうどいいと思います。とくに、今の中国を“単一の国”として捉えることに違和感がある人には、かなり刺さるはずです。
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