
小説 天気の子 (角川文庫)
新海 誠
KADOKAWA / 2019-07-18
この本について
仕事でも日常でも、なんとなく「このままじゃいけない気がするけど、具体的に何が問題なのか言語化できない」という時期ってありますよね。平穏が続くふりをしながら、心のどこかでは変化を待っていたり、逆に変化を怖がっていたり。その曖昧な揺れを、なかったことにできなくなる瞬間があります。 『小説 天気の子』の抜粋を読んでいると、その“揺れ”をそのまま掬い上げるような言葉が多いと感じます。世界が変わる予感に気づいていながら知らないふりをする感覚や、天気のように人の心が動いてしまう理屈のなさ。映画のストーリーをなぞるだけでなく、小説という器でしか描けない比喩や内面の流れが丁寧に積み重ねられていて、自分でも気づかなかった違和感が言葉になっていく感覚があります。また、「自分の内側ばかり見ても何も出てこない」という台詞が、今の自分の態度をそっと外側へ向け直してくれるのも印象的でした。 物語として読むのはもちろんですが、自分の気持ちがどこで止まっているのかを確かめたい時に、ふと手を伸ばすとちょうどいい距離にいます。映画版が好きな人だけでなく、変わっていく世界と自分の立ち位置に戸惑っている人にこそ静かに刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの40%が集中しています。
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