
恋のヒペリカムでは悲しみが続かない 上 (TO文庫)
二宮敦人、syo5
TOブックス / 2019-10-05
この本について
人と関わるときって、つい相手の性格や意図を早めに決めつけてしまって、あとから「あれ、距離できてない?」と不安になることがあります。自分を守りたい時ほどやりがちで、でも本音ではちゃんと向き合いたかったりするんですよね。僕も同じで、そんな気まずさや後悔にぶつかるたびに、どうしたら良い距離感でいられるのか考え込んでしまいます。 『恋のヒペリカムでは悲しみが続かない』は、いわゆる恋物語というより、人との関係の扱い方にじわっと効いてくる作品でした。決めつけが距離を生むという痛いほどリアルな言葉や、水商売の仕事を「牧場」にたとえる場面が象徴的で、相手に合わせるって、迎合とは違うんだなと素直に思わされます。こちらの都合を押しつけても何も生まれないし、相手が心を開くタイミングって本当にそれぞれ違う。頭ではわかっていても、こうして物語として描かれると、行動に落とし込みやすくなるんですよね。 さらに、写真の「瞬間を残す」感覚に触れるシーンもあって、時間は戻らないけれど、いま目の前の関係をちゃんと見つめる大切さをそっと思い出させてくれます。誰かとの距離に迷っている時ほど、この静かな温度の物語が効いてきます。 人との距離感に正解を求めすぎて疲れてしまう人に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの50%が集中しています。
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