
世襲の日本史 「階級社会」はいかに生まれたか (NHK出版新書)
本郷 和人
NHK出版 / 2019-09-10
この本について
仕事で「なんでこの序列ってこうなってるんだろう」とか、「今ある“ルール”って、そんなに絶対なのか?」みたいなモヤモヤを抱えること、僕はよくあります。誰が決めたかも分からない仕組みに振り回されている感じがして、理由を知りたくなるんですよね。 本郷さんの『世襲の日本史』を読むと、その感覚に少しだけ輪郭が出ます。たとえば、古代の氏族がそれぞれ“固有の役割を主張できた”のは、能力よりも「この家にはこういうカリスマがある」という物語が先にあったからだ、と知ると、今の社会に残る不思議な権威や立場の差も、いきなり個人の問題として背負わなくていいのかもしれないと思えてきます。記紀神話が、全国の神々を“ファミリー化”していくことで統合を進めたという話も、組織が人をどう取り込んでいくかのリアルさにつながっていて妙に腑に落ちました。 それに、“一度定まった序列がなぜ動きにくいのか”を、氏族国家の構造から説明してくれるので、目の前の停滞だけを見て疲れるのではなく、「こういう歴史的な積み重ねの先に自分がいるのか」と距離をとって考えられるようになる本です。こんな感覚を求めている人に刺さると思います。 特に、「社会の理不尽さを個人の努力だけの問題に回収したくない人」には、静かに効く一冊でした。
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