
ミヤザキワールド ─宮崎駿の闇と光─
スーザン ネイピア、仲 達志
早川書房 / 2019-11-06
この本について
仕事でも創作でも、目の前のことにどこまで踏み込めばいいのか分からなくなる時があります。自分に独自性なんてあるのか、努力の仕方はこれで合っているのか。そんな迷いが積み重なると、手を動かす意味すら見失いそうになります。 この本を読んで驚いたのは、宮崎駿という“完成された天才”のように見える人も、幼少期の不安や家族の影、圧倒的な作業量や葛藤を抱えながら、自分の世界を形にしてきたという事実でした。たとえば、母親の病気と向き合い続けた経験が作品の「子ども」の描写につながっていることや、廃墟に惹かれる感性の裏に「もし違う未来があったら」という想像力があることなど、一つ一つの背景が創作の方向性を少しずつ決めていたんだと腑に落ちます。個性とは突然生まれるものではなく、長い時間で育つものだと静かに教えられる感覚がありました。 また、国境や文化を越えて物語を紡げた理由が、単に技術や才能の話ではなく、他者への深い共感や歴史へのまなざしにあるという視点も新鮮でした。自分の中にある「なぜか惹かれるもの」や「つい繰り返してしまうテーマ」は、案外その人の生い立ちや癖に根ざしているのかもしれません。 創作に限らず、自分の仕事に“自分らしさ”をどう混ぜていけばいいか戸惑っている人に、とても静かに効いてくる本だと思います。
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多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの24%が集中しています。
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