
天才の思考 高畑勲と宮崎駿 (文春新書)
鈴木 敏夫
文藝春秋 / 2019-05-20
この本について
仕事でも創作でも、目の前のテーマをどう扱えばいいのか分からなくなる時があります。自分の経験値だけでは足りないし、かといって誰かの真似をしてもうまくいかない。あの人たちはどうやって“自分の答え”をつくっていたんだろう…と考える瞬間ってありますよね。 この本が面白いのは、宮崎駿と高畑勲という「天才」を扱いながら、彼らを特別な存在として持ち上げないところです。引用とアレンジの時代にどう向き合ったのか、日常の動きをどう積み上げていったのか、そして迷いながらもテーマを自分の中で再構成していく姿が、かなり具体的に描かれています。たとえば、過去の作品から影響を受けつつも、最後は「自分の手を動かして咀嚼するしかない」とか、スタジオの空気をどう変えるかで作品の手触りまで変わるとか、現場の試行錯誤がそのまま創造のプロセスになっている感じが伝わってきます。 読んでいると、「結局のところ、自分も同じように迷っていいし、その迷いごと作品にしていいんだ」と思えてくるんです。何かをつくる人だけでなく、仕事でテーマを抱えて悩んでいる人にも効くタイプの本だと思います。特に「オリジナルって何なんだろう」「今の仕事をどう意味づければいいのか」と立ち止まっている人には刺さるはずです。
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