
トヨトミの逆襲
梶山三郎
小学館 / 2021-11-10
この本について
仕事で大きな方針転換に巻き込まれたり、業界全体がどこに向かうのか見えなくなった瞬間ってありますよね。自分の判断が古いのか、それとも流行に流されているだけなのか、その境目がわからなくなるあの感じ。僕も同じように迷っていて、この本はその迷いの輪郭を少しだけはっきりさせてくれました。 『トヨトミの逆襲』は、自動車産業の話ではあるんですが、読んでいると「これは会社の構造の話でもあり、自分の働き方の話でもあるな」と感じます。たとえば、規格づくりに先に入り込んだ者が優位を取る構造や、コストカットの正しさと残酷さが同時に存在してしまう現場の空気、外注と内製の判断で人がどう動かされていくか。抜粋にあるような具体的なシーンが続くので、ただの業界分析ではなく、現場にいる人の呼吸まで伝わってきます。 そして一番刺さったのは、「技術的に正しいかどうか」と「社会や空気がどちらを“未来らしい”と選ぶか」は、必ずしも一致しないという点でした。EVや水素のような大きな方向転換はもちろん、もっと身近な職場でも同じことが起きている。正しくても負けるし、間違っていても流れが味方することがある。その不条理の中で自分はどう判断するのか、考えるきっかけになります。 業界の裏側が知りたい人よりも、「変化の中で、自分の選択に自信を持てなくなっている人」に静かに効く本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
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