
ミシェル・フーコー 自己から脱け出すための哲学 (岩波新書)
慎改 康之
岩波書店 / 2019-10-18
この本について
仕事でも日常でも、「自分は今、当たり前だと思っていることをどれだけ疑えているんだろう」と立ち止まる瞬間ってありますよね。価値観や常識にモヤっとしつつも、結局また同じ枠組みに戻ってしまう感じ。そこから抜け出すきっかけがほしいけれど、自己啓発みたいに“こう考えればいい”と示されるのも違う、という人にこの本はけっこう効きます。 フーコーがやっているのは、今の私たちの視点そのものがどう形作られてきたのかを、歴史をさかのぼって問い直すことです。たとえば、狂気が「精神の病」という一つのイメージに落ち着いてしまったのはごく最近のことで、そこに至るまでの監禁や医療制度の変化が、私たちの“見方”を作ってしまった。この「見方のほうが歴史的に作られたものかもしれない」という感覚が、一度入るとけっこう世界の色が変わります。また、フーコー自身が自分を固定化しないように名乗り方まで工夫していた姿勢は、「別のやり方で考えてみる」が決して抽象論じゃないんだと実感させてくれます。 この本は、今の自分の思考の“癖”を一段外側から眺めたい人に刺さると思います。答えをくれるというより、視点をずらすための手すりみたいな役割をしてくれる一冊です。
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多くの読者は第8章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの31%が集中しています。
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