
ネクスト・シェア―ポスト資本主義を生み出す「協同」プラットフォーム
ネイサン・シュナイダー、月谷 真紀
東洋経済新報社 / 2020-07-31
この本について
「自分が日々お金を払ったり働いたりしている場所って、本当に自分の人生に関係あるのか?」みたいな、妙な距離感を覚えることがありませんか。関わっているはずなのに、意思決定にはまったく届かない感じ。私もずっとその違和感の正体がつかめずにいました。 この本を読むと、そのモヤモヤの背景にある“所有と統治のズレ”が丁寧にほどけていきます。特に、利用者が事業を所有し管理するという協同組合の発想は、資本の大小ではなく、関わる人の責任と自由に軸を置いているのが印象的でした。従業員の心理的なオーナーシップが成果に影響するという研究や、1人1票で意思決定する仕組みがどう運用されてきたのかを知ると、「社会のルールは今の形しかない」という思い込みが少し和らぎます。ネットワーク時代の権力構造まで射程に入っているので、今の仕事や身の回りのサービスの“支配点”にも目が向くようになります。 華やかな理想を語る本ではなく、歴史の試行錯誤や現場の泥くささまで含めて“別のやり方”を見せてくれるのがいいところです。いまの働き方や組織のあり方に小さくでも引っかかりを持っている人には、静かに効いてきます。
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