
暗黒の啓蒙書
ニックランド, 木澤佐登志, and 五井健太郎
講談社 / 2020-05-20
この本について
社会や政治について話そうとすると、どこかで「それ言っていいのか?」とブレーキがかかる瞬間ってありますよね。自分も、空気を読んで話題をそっと引っ込めた経験が何度もあって、そのたびに何が本質的な問題なのかよく分からなくなる感覚がありました。 『暗黒の啓蒙書』は、そういう“言いにくさ”の正体をかなり容赦なく突いてきます。民主主義が避けがたく抱えている矛盾や、議論そのものが禁じられたときに生まれる歪みを、具体例と論争的な思想史を通じて示してくれる本です。たとえば「寛容の名のもとに不寛容が育つ」といった抜粋に反応した人は、社会の空気に感じていた居心地の悪さと、構造的な問題がつながる感覚があったんじゃないかと思います。読み進めると、自分が感じてきた違和感が単なる主観じゃなかったのかもしれない、と少し落ち着くところがありました。 もちろん、この本が示す方向にそのまま頷く必要はありません。ただ、議論が成り立たない状況をどう扱うか、あるいは「政治の外部」をどう想像するかといった視点は、普段触れない思考の窓を開けてくれます。とくに、今の公共圏のざらつきに疲れている人には刺さると思います。
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多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
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