
ブルックリン・フォリーズ(新潮文庫)
ポール・オースター and 柴田元幸
新潮社 / 2020-06-01
この本について
最近、自分がどこに向かって生きているのかよく分からなくなることがあります。仕事はこなしているのに手応えが薄かったり、気づくと「ちゃんとした大人」を演じるだけで終わっていたり。そんなとき、人ってもっと雑で、矛盾してて、でも愛おしい存在なんじゃないかと思わせてくれる物語に救われます。 『ブルックリン・フォリーズ』はまさにそういう本で、完璧でも劇的でもない人たちが、場当たり的に生きながら、ふとした瞬間に誰かの人生にぬるっと入り込んでいく。その関わり方が妙にリアルで、読んでいるうちに「自分もこんなふうに何人もの自分を行き来しながら生きてるよな」と静かに認められてくるんです。あの長い“気をつけろよ”リストのような、乱暴さと優しさが同居した呼びかけも、心が弱ってる日に意外と効きます。 それに、この物語に出てくる人たちは、どこか不器用で、善人でも悪人でもなく、その時々で正しさを選びそこねたりします。でもだからこそ、誰かと一緒に生きようとする瞬間だけは妙にまっすぐで、そこがぐっとくる。コミュニティと呼べるほど立派じゃないけど、「この人たちとなら続けていけるかも」と思える関係のつくり方が、少しだけ見えてきます。 人生に大きな答えは求めてないけれど、迷いながら続ける力がほしい人に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの45%が集中しています。
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