
幽霊たち(新潮文庫)
ポール・オースター and 柴田元幸
新潮社 / 1995-03-01
この本について
最近、言葉がうまく届かない感覚が続いていました。話しても書いても、核心に触れられていない気がする。自分の中のモヤモヤをうまく言語化できず、むしろ言葉が景色を曇らせているような瞬間があるんですよね。そんな時期に読み返したのが、オースターの「幽霊たち」でした。 この小説は事件らしい事件が起きないのに、読んでいると自分の内側でじわじわ何かが動きます。登場人物が「どこでもない場所」に立たされ、思考だけが増幅していく。その姿を追っているうちに、こちらまで“考えるとはどういうことか”を静かに突きつけられる感じがあります。言葉が役に立たない瞬間や、思考が自分を消耗させる感覚に触れたことがある人なら、ブルーの混乱が妙に現実味を帯びてくるはずです。読みながら、急がずに言葉を受け取るという姿勢そのものが、自分の考えを整理する時間にもなるんですよね。 すぐに答えがほしい時には向かないかもしれません。でも、世界や自分と向き合うときの「微妙な揺れ」を丁寧に扱いたい時、この本はいい相手になります。考えすぎて疲れてしまう人、言葉との距離感に悩んでいる人には静かに刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
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