
アフターデジタル2 UXと自由
藤井 保文
日経BP / 2020-07-24
この本について
デジタルの仕事をしていると、「DXって結局なにを目指せばいいんだろう」「データは集まるけど、どう価値につなげればいいのか分からない」といったモヤモヤが残りがちです。現場ではレピュテーションリスクや社内説得ばかりが前に出て、ユーザー視点の話になると急に言葉が詰まる…そんな経験をしている方は多いと思います。 この本が面白いのは、「行動データの時代に何が変わるのか」を、企業とユーザーの関係性から描いているところです。集めたデータをどうマネタイズするかではなく、どう価値に変換するかを軸にしているので、DXの話が急に人間味を帯びます。リアル接点が“レアだけど重い場”になるという視点も、現場で手触りを持って働く人ほど腑に落ちるはずです。また、UXを語らないDXは成功しないという指摘は、日々の施策を見直すきっかけになります。 読みながら、ユーザーに不義理をしないという感覚が中国企業の例とともに語られていて、自分が普段どんな関係性を前提に仕事をしているのかを静かに問い直されます。データを社会に還元して初めて信頼が生まれる、という当たり前なのに抜け落ちがちな姿勢が、実例とともに描かれているのもありがたいところです。 特に「社内の合意形成に疲れているけれど、ユーザーにとっての価値は絶対に外したくない」という人に刺さる本だと思います。
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