
ゴッホのあしあと (幻冬舎文庫)
原田マハ
幻冬舎 / 2020-08-06
この本について
最近、自分のやっていることが誰にも届いていない気がして、ふと手が止まることがあります。頑張っているつもりでも、外側から見れば「何も起きていない」ように見えるあの感じ。評価されない時間が長いと、自分の存在そのものが拒まれている気さえしてきます。 『ゴッホのあしあと』を読んでいると、その孤独にそっと寄り添われるようでした。抜粋にもあるように、ゴッホが感じていた「誰も見てくれない」という焦りや、自立したいのにできないもどかしさは、創作や仕事に向き合う人なら一度は通る道だと思います。さらに、林忠正のエピソードに触れることで、「正しさが理解されるまでには時間がかかる」という現実を、綺麗ごと抜きで教えてくれます。途中で誤解されたり、価値が見えにくかったりすることは、珍しいことじゃないのだと少し肩の力が抜けました。 そして何より印象に残るのは、「傑作は永遠に生きる」という視点です。結果がすぐ出ない不安に飲まれそうなとき、今の努力がどこかで誰かにつながっていく可能性を思い出させてくれる。揺れながらも沈まない、というパリの標語の話も含めて、迷いながら進む自分を許せる本でした。 今の自分の歩みが正しいのか分からなくなる人に、静かに効いてくる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの44%が集中しています。
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