
モネのあしあと (幻冬舎文庫)
原田マハ
幻冬舎 / 2021-04-08
この本について
仕事でも日常でも、「前例に合わせた方が安全なんだろうな」と思いながら、自分の感覚を押し込めてしまうことってありませんか。新しいことをやりたい気持ちと、外れたらどうしようという不安がいつも同居してしまうあの感じです。僕も同じで、結局“正しそうな方”に寄っていくクセがあります。 『モネのあしあと』を読むと、そんな迷いに少しだけ風が通ります。印象派の画家たちがアカデミーの権威に寄りかからず、「自分の目に見える現実」を描こうとした姿勢が、意外なほど現代の働き方に重なって見えるんです。写真が誕生し、既存の画家の仕事が揺らいだ十九世紀の空気は、AIが出てきた今の状況と驚くほど似ています。環境が変わったからこそ、自分なりの価値を探し直した彼らの動き方は、読みながら何度も姿勢を正されました。 さらにこの本は、モネの晩年の家が荒れ果て、それを後世の人たちが修復していくくだりなど、人の営みが時間を越えて受け継がれていく感覚も静かに沁みてきます。表現とは結局、誰かに届くまで旅をし続けるものなんだな、と。 自分の感覚を信じて動きたいけれど、どこまで踏み込んでいいのか迷っている人に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
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