
日本習合論
内田樹
この本について
人と話していて、「なんでそんなに共感し合える前提なんだろう」とモヤモヤすること、けっこうありませんか。自分だけ噛み合っていない気がして、周りに合わせて頷いたり、テンションを作ったりして、あとからどっと疲れる。僕も同じで、どこかで「わからないまま一緒にいる」ことに後ろめたさを感じていました。 『日本習合論』を読むと、その後ろめたさの正体が少しほぐれます。たとえば、理解と共感を過剰に求める空気が、参加できない人も、参加している人さえも傷つけてしまうという指摘。あそこで立ち止まって「あなたの考えていることがよくわからない」でいい、と言い切ってくれるのがありがたいんです。もう一つは、社会や文化が本来もっと混ざり合ったり、折り合いをつけたりしてきた歴史を丁寧に示してくれるところ。すべてを「同じ方向に揃える」前提で見る必要がないんだ、と視点が緩む感じがあります。 それに、家庭や職場で起こる「わかってほしい」地獄の正体を説明してくれるパートも、個人的には大きかったです。共感し合うことを正義にすると、人はかえって不自由になる。この単純だけど見落としがちな構造を示してくれるので、自分の身の回りのぎこちなさの理由が言語化されました。 同調に疲れている人や、「わからない」と言う勇気が欲しい人には、特に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの32%が集中しています。
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