
善医の罪 (文春e-book)
久坂部 羊
文藝春秋 / 2023-08-02
この本について
仕事で判断を迫られたとき、「正しいと思ってやったのに、あとから責められるかもしれない」と不安がよぎることってありますよね。誰かのために動いたつもりが、立場が変わればまったく違う評価になる。そのズレに戸惑う感覚は、医療の現場に限らず、どの仕事にもあるものだと思います。 『善医の罪』を読んでいると、そのズレがどれだけ残酷で、そして避けがたいものなのかが静かに突きつけられます。手術室での緊張感の描写もリアルですが、それ以上に刺さるのは、医師たちが「医学的な正しさ」と「法的な正しさ」の間で揺れ続ける姿です。まっすぐに仕事をしてきた人ほど、裁判の場で自分の誠実さが切り刻まれていくような感覚を味わう。その過程を追いかけることで、自分が普段どれだけ“状況次第で簡単に裏返る正しさ”に寄りかかっているかを考えさせられました。 もう一つ、この本が効くのは「信じていた人が自分を守らなかったときの痛み」を丁寧に扱っているところです。いい上司だと思っていた人が、いざとなると平然と嘘をつく。その瞬間に崩れる信頼の感覚が、妙に現実的で、どの職場でも起こり得ることとして刺さるはずです。 正しさに振り回されがちな人、あるいは誠実であろうとするほどしんどくなってしまう人に向けて、そっと手渡したくなる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの40%が集中しています。
読書の順序
この本の前に読まれた本
この本の後に読まれた本
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
BookNotion をお使いの方へ
この本の指標は、あなたの本棚でも見られます
このページで見ている読者数・精読度・完走率は、あなた自身の本にも表示できます。BookNotion をお使いなら、下のリンクを開くだけで自分のデータが出ます(ログイン操作は不要です)。
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要




