
源氏将軍断絶 なぜ頼朝の血は三代で途絶えたか (PHP新書)
坂井 孝一
PHP研究所 / 2020-12-15
この本について
仕事でも日常でも、表面的な“原因”だけ追っていると、どうしても同じような行き詰まりにぶつかりませんか。あとから振り返れば伏線だらけなのに、その最中は全体像が見えないまま動かされていた…というあの感じです。鎌倉幕府の源氏将軍三代の終わり方を辿ると、そのモヤモヤに少し輪郭がつくように思いました。 この本は、頼朝の血統が三代で断たれた理由を、陰謀劇としてではなく、権門体制の構造や、鎌倉と朝廷の距離感、そして『吾妻鏡』という“語り直し”の装置まで踏まえて描いていきます。抜粋にもあるように、実朝と義時が「チーム鎌倉」として動いていたとか、実朝暗殺が単独犯として説明できる余地が大きいとか、歴史の見え方が少しずつ修正されていく。その積み重ねを追ううちに、物事が崩れる時は一つの黒幕ではなく、複数の立場の“調整しきれなさ”が重なっていくのだと腑に落ちてきます。 個人的には、「歴史を語り直すことで正当性を作る」という視点が、いまの組織やチームでも普通に起きていることだと気づかせてくれました。誰が語るかで出来事の意味が変わる。その仕組みを理解しているだけで、目の前の状況に振り回されにくくなる気がします。 権力の動きが“人間の手触り”として理解したい人、とくに組織の空気に飲まれやすいと感じている人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの26%が集中しています。
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