
エマニュエル・トッドの思考地図
エマニュエル・トッド and 大野舞
筑摩書房 / 20201223
この本について
仕事でも日常でも、自分の考えがどこから来ているのか分からなくなる瞬間ってありませんか。ニュースやSNSを見ていても、世界がどんどん不安定になっているように感じて、それに自分の感情まで引っ張られてしまうというか。考えたいのに考えられない、視点を変えたいのに変え方が分からない……そんなモヤモヤを抱えている人は多いと思います。 『エマニュエル・トッドの思考地図』は、その「どこから考えるか」が揺らいだときの助けになる本でした。トッドは、思考を特別な才能の産物とは扱わず、まず事実に触れ、膨大な読み込みの中で無意識が攪拌され、そこから関係性がふっと浮かび上がるプロセスを淡々と語ります。内省しすぎて堂々巡りになったときに、「いったん外に出る」「歴史スケールで見直す」という具体的な姿勢を提示してくれるのも印象的でした。とくに、世界が崩れていくように感じる瞬間こそ、視点の外在性をつくり直す必要があるという話は、今の空気にそのまま刺さります。 自分の頭の中だけで答えを出そうとしがちな人、あるいは現実の変化に気持ちが追いつかないまま情報に溺れている人に向いていると思います。大げさに世界観を変えてくれる本ではありませんが、思考の足場を一段だけ広げてくれるような、そんな一冊です。
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