
ふだん使いの言語学―「ことばの基礎力」を鍛えるヒント―(新潮選書)
川添愛
この本について
伝えたいことはあるのに、いざ口にすると「ん?なんか誤解されそうだな…」とモヤっとする瞬間、けっこう多くないでしょうか。自分では普通のつもりでも、相手には別の意味に聞こえてしまう。言い換えようとしても、どこがズレているのか自分でもよく分からない。僕も仕事の文章で何度もつまずいてきました。 『ふだん使いの言語学』が面白いのは、そのモヤモヤを「センスの問題」にせず、ちゃんと構造として説明してくれるところです。たとえば「曖昧性」と「不明確性」がどう違うのかとか、「じゃない」に二つの意味が潜んでいるから誤解が起きるとか、普段ほとんど意識していない仕組みが具体例つきで見えてきます。しかも、理論を覚えることより、自分の中の“無意識の知識”に気づくことが大事だと繰り返し書かれていて、背伸びせずに読めるのがありがたいところです。 読んでいると、「相手がどう解釈する可能性があるか」を少し先回りできるようになり、文章を書くときの引っかかりが確実に減ります。誤解の芽を事前に見つけたり、別の言い方を探す視点が自然に鍛えられる感覚があります。コミュニケーションの精度を、派手にではなく“現実的に”上げたい人に向く一冊だと思います。 特に、言葉のズレで小さくつまずきがちな人に刺さるはずです。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの36%が集中しています。
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