
「不連続な変化の時代」を生き抜く リーダーの「挫折力」
冨山 和彦
PHP研究所 / 2021-02-26
この本について
仕事で方針を変えたいのに、現場は動かない。立場が上がるほど孤独は増すし、「強く出ればワンマンと言われ、弱く出れば何も進まない」という板挟みに疲れてしまう。僕自身も、調整ばかり続けた結果どこにも着地しないあの感覚に何度も悩まされてきました。 この本が効いたのは、「トップにしか見えない景色」を具体的に描いてくれたことでした。社長の背中には誰もいないという事実、そこから生まれる恐怖と覚悟。それを直視したうえで、トップダウンを悪者扱いせず、機能させるための人事権やガバナンスの話まで踏み込んで語るところに、現場の愚痴とは違うリアルさがあります。また、改革の初期は1対99から始まること、地道な説得を重ねて少しずつひっくり返していくプロセスが丁寧に書かれていて、「ああ、あの針のむしろの日々にも意味があったのか」と腑に落ちました。 そして何より、挫折を「伸びしろ」ときれいごとで片付けず、能力以上に挑んだときに生まれる痛みごと引き受ける姿勢が語られているのが、この本のいちばんの価値だと思います。人間関係が多少ギスギスしても壊れないこと、ぶつかることでしか得られない視界があることを思い出させてくれます。 トップダウンを避けたいのに、避けてばかりでは前に進めないと感じている人に刺さる本です。
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