
ステートメント宣言。
岡本欣也
この本について
日々、人との距離感でちょっとだけ疲れることがありませんか。仕事でも家庭でも、「そこじゃないんだよな…」という2センチのズレにモヤモヤして、でも言うほどのことでもなくて飲み込んでしまう。自分の理想と現実のあいだにある小さな段差に、気づかぬうちに消耗している、あの感じです。 『ステートメント宣言。』を読んで刺さったのは、その“2センチ”みたいな違和感を、言葉で丁寧に拾い上げてくれるところでした。たとえば、弱い人間を前提にものづくりを考えるTOTOの話や、消すことも創作の一部だと語るトンボの姿勢。どれも大きな成功談ではなくて、誰の日常にも転がっている「小さな気配」にちゃんと光を当てている。読んでいて、ああ、自分の感じていたズレは間違いじゃなかったんだと思えてきます。 もうひとつ良いのは、理想を大きく掲げるのではなく、「届く範囲の理想」をどう扱うかを示してくれるところです。豪快な夢ではなく、客室のゴミを部屋番号別に保管するような“普通の理想”を積み上げることで、仕事にも暮らしにも少し風が通る感じがする。こういう視点は、意識高く生きられない自分にもやさしかったです。 言葉の仕事に携わる人だけでなく、「自分の毎日にもう少し意味づけをしたい人」に静かに効く本だと思います。
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