
すみれ荘ファミリア (講談社タイガ)
凪良ゆう
講談社 / 2021-05-14
この本について
日常でふと、「なんでこんなことで疲れてるんだろう」と思う瞬間ありませんか。誰かを思う気持ちなのに重たくなったり、仲良くしたいだけなのに変なプライドが邪魔したり、家族の中でだけ妙に矮小化される感じがあったり。自分でも理由が説明できないモヤモヤって、意外とずっと残るんですよね。 『すみれ荘ファミリア』は、そういう“説明のつかない重さ”にひとつずつ光を当てていく物語でした。愛は尊いはずなのに人を傷つけもする、誰かを助けたい気持ちの裏側に支配欲が混じる、SNSで気軽に繋がれるはずなのに本音だけはなぜか詰まってしまう。読んでいて「そういうこと、あるよな」と素直にうなずける場面が多くて、背筋を伸ばすより先に肩の力がすっと抜ける感じがありました。人間の弱さや矛盾を、良い悪いで裁かずに描いてくれるところが本当にありがたかったです。 特に刺さったのは、外から見えるイメージと内側のギャップを抱えた人たちが少しずつ本音に触れていく過程でした。嫉妬や後ろめたさを抱えたままでも関係は続けられるし、無理に“正しい自分”でいようとして苦しくなるくらいなら、グレーのまま立ち止まってもいい。そんなふうに思わせてくれる物語です。 こんな人に刺さると思います。誰かとの距離の取り方にいつも少し悩んでしまう人。自分の弱さをうまく扱えず、つい抱え込んでしまう人に。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの15%が集中しています。
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