
脳の大統一理論 自由エネルギー原理とはなにか (岩波科学ライブラリー)
乾 敏郎 and 阪口 豊
岩波書店 / 2020-12-22
この本について
人と話していて「なんでこんなに相手の意図を読み違えるんだろう」とか、疲れている日に限って物事を悪く受け取りすぎたり…。自分の“感じ方”そのものがブレる理由がずっとモヤモヤしていました。努力不足と言われればそれまでですが、もう少し別の説明があるんじゃないかと思っていました。 この本を読んで腑に落ちたのは、知覚ってただ受け取るものじゃなくて、脳が勝手に“推論”しているという視点でした。外の刺激と、自分の中の想定がぶつかってズレが生まれ、そのズレをどう扱うかで世界の見え方が変わる。注意が逸れがちな日や、相手の言葉を歪んで受け取る瞬間に、自分の中でどんな予測が強く働いていたのかを振り返るきっかけになります。コミュニケーションが難しい理由も、「予測しにくい状況だから」と説明されると、妙に気が楽になりました。 さらに、内臓の状態まで脳が推論しているという話は、疲れや不安が“気のせい”ではない理由を教えてくれます。体調や環境の変化で予測誤差が処理しきれなくなると、判断も揺れる。これは現場でよく経験してきたことで、「ああ、だからあのときうまく動けなかったのか」と納得できました。 自分の“感じ方”の揺れを理屈で理解したい人にはかなり刺さる一冊です。
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