
「脱炭素」は嘘だらけ
杉山大志
この本について
脱炭素の議論って、どこまでが科学で、どこからが物語なのか分からなくなることがあります。ニュースで聞く言葉をそのまま受け取っていいのか、でも専門家でもない自分には判断しにくいし…というモヤモヤを抱えたまま日々仕事の意思決定に向き合っている人も多いと思います。僕もその一人でした。 この本は、温暖化そのものを否定するというより、語られ方の“癖”を一度分解して見せてくれます。たとえば「災害が激甚化している」という決まり文句が、実はデータとはきれいに一致していない場面があること。あるいは、再エネが進めば進むほど、資源調達や土地利用で別の環境負荷が増えるという現実。こういう“当たり前の前提”が一度ひっくり返ると、政策や投資を考えるときの地に足の着き方が変わります。感情や理想よりも、物理と経済で考えたい人にはかなり効く本でした。 もう一つ大きかったのは、政治や国際関係のノイズが、脱炭素の議論にどれだけ入り込んでいるかを冷静に示している点です。中国の資源独占や、再エネ拡大で特定国への依存が強まる構造、SNSで特定のストーリーが流通しやすくなる理由など、「なぜこの議論はこんな形になっているのか」を俯瞰できるようになります。科学と政治がごちゃ混ぜになる理由を知ると、自分の中の判断基準が少し整理されます。 特に刺さるのは、「環境にいいと言われているものでも、実際の現場では別の負荷を生んでいる」という部分に気づきたい人。正義感よりも、現実的な解を探したいタイプには向いています。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの24%が集中しています。
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