
店長がバカすぎて (ハルキ文庫)
早見和真
角川春樹事務所 / 2020-08-18
この本について
仕事で理不尽を感じたり、店長や上司の言動に振り回されたり、「この環境に文句ばかり言ってる自分も嫌だな…」みたいな気持ち、誰でも一度はあると思います。私もそうで、辞めたいのに辞めきれなくて、でも明日も働かないといけない。その曖昧なところでずっと立ち止まっていました。 『店長がバカすぎて』が刺さるのは、その曖昧さを無理に整理しようとしないところです。主人公が置かれる日々の理不尽は笑えるけれど、笑えないほど分かる場面も多くて、「ああ、自分だけじゃないんだな」と肩の力が抜ける。周りの人を想像できず不寛容になりがちな時代に、物語を通して他者の立場に立ち戻らせてくれるところも大きい。そして、愚痴をこぼしながらも、自分で環境を変える一歩を踏み出す姿が、読んだ後に微妙だけど確かな前向きさを残してくれるんですよね。 完璧な答えはくれないけれど、「いまの自分をどう扱えばいいか」の温度をそっと整えてくれる作品です。職場にモヤモヤを抱えている人や、物語に救われてきた実感がある人には特に響くと思います。 気づけば、働く意味を他人に決められず、自分の側に取り戻す感覚がじんわり残る一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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