
ヤマケイ文庫 働かないアリに意義がある
長谷川 英祐
この本について
最近、「自分はもっと動かないといけないんじゃないか」と焦る瞬間が増えました。周りがテキパキ働いている中で、調子が出ない自分を責めたり、個性や余白みたいなものがどんどん許されなくなっている気がして、息が詰まることがあります。効率だけを基準にすると、立ち止まる自分はいつも間違っているように見えてくるんですよね。 そんな気持ちのときに読んだのが「働かないアリに意義がある」でした。ムシの世界では、あえて“働かない個体”が一定数いることで、予測不可能な事態への耐性が生まれる。全員が常に全力だと、コロニーはあっという間に疲弊してしまう。短期の効率より、長期の存続を優先した仕組みが自然界では当たり前に組み込まれているという視点に、妙な安心感がありました。「働かない」のではなく「働ける余力として残っている」という考え方は、人間社会にもそのまま持ち込める気がします。 特に刺さったのは、ムシたちでさえ予測不能な環境で動いていて、決まり切った仕事だけでは立ち行かないという話です。急に降ってくる仕事に振り回されるのは人間も同じで、だからこそ多様な反応閾値を持つ個体が混ざり合っていることが強さになる。規格品だけ集めても組織は長くもたない、という見方は、働き方に迷っている自分の肩の力を少し抜いてくれました。 「効率一辺倒に疲れてしまった人」には、静かに効く本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
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