
あたらしい哲学入門 なぜ人間は八本足か?
土屋賢二
文藝春秋 / 2014-02-10
この本について
仕事でも日常でも、「なんでこうなるんだろう?」と考えているうちに、気づけば同じところをぐるぐる回ってしまうことがあります。考えているつもりなのに、そもそも問いの立て方がズレていて、答えようがなかった…というタイプの行き詰まりです。僕自身、これに何度もはまりました。 この本が助けになるのは、事実を積み上げれば解決する“普通の問題”と、問いの形そのものが間違っている“解決不能な問題”をきっちり分けてくれるところです。ゼノンのパラドックスの例もそうですが、「問題が解けない」のではなく「質問のほうが成立していない」という視点に立つと、思考のもつれが急にほどける瞬間があるんですね。また、言葉の使い方に潜む誤解をていねいに拾ってくれるので、「分かった気がする」状態をごまかさず、分かる・分からないの境目をはっきり持てるようになるのも大きいです。 もう一つ個人的に効いたのは、主観的態度と客観的事実が混ざると議論がどれだけこじれるかを示してくれる点でした。「意味があるのか」「特別なのか」といった問いが、実は態度表明にすぎないことがある。これを知ってから、無理に“正しい答え”を探して疲れる場面が減りました。 考えすぎて迷路に入りやすい人、そして「そもそも何を問うべきか」から整理したい人に向いている一冊です。
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