
100のワークで学ぶ カウンセリングの見立てと方針
竹内 健児
創元社 / 2021-08
この本について
人の相談を受けていると、「この人は何に苦しんでいるんだろう」「自分は何を手がかりに話を聴けばいいんだろう」と、ふと立ち止まる瞬間があると思います。相手の言葉をそのまま受け取るだけでは足りない気がするけれど、じゃあどう考えればいいのかと言われると、うまく説明できない。僕自身、そこでもやつき続けてきました。 この本が助けになるのは、カウンセリングの“見立て”という行為を、特別な才能ではなく「具体的な作業」として示してくれるところです。相手の訴えを扇の要のように捉え、そこから人物像や背景を丁寧に探っていく姿勢。クライエント自身の言葉と、こちらが読み取った理解をどう区別するか。安全性を最優先にしつつ、無理な決めつけを避け、話し合える余地を残したまま方針をつくること。こうしたプロセスが具体例とともに書かれているので、「なんとなく考える」が「説明できる考え方」に変わっていきます。 読みながら、自分が面接で曖昧にしていた部分や、つい早く絞り込んでしまっていた理由にも気づかされました。情報は“内容”だけでなく、“誰がいつどんな意図で話したのか”まで含めて扱う必要があるという話も、実際の相談場面を思い浮かべると腑に落ちます。 臨床の場だけでなく、日常的に人の相談を受ける人にも刺さる本です。相手を理解したいのに、どこから整理すればいいのか迷っているとき、この本はその迷いを一緒にほどいてくれます。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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