
インターセクショナリティ
パトリシア・ヒル・コリンズ, スルマ・ビルゲ, 小原 理乃, and 下地 ローレンス 吉孝
人文書院 / 20211201
この本について
仕事でも日常でも、「どうして同じ話をしているはずなのに、人によって見えている景色がこんなに違うんだろう」と感じることがよくあります。性別や立場の問題に触れると特にそうで、単純化して理解しようとすると、かえってモヤモヤが増えるんですよね。 この本は、そのモヤモヤに対して「そもそも一つの軸で説明しようとすること自体が無理だったのかもしれない」という視点をくれました。たとえば、女性アスリートの扱われ方ひとつ取っても、ジェンダーだけを見ていては読み取れない現実があります。人種や階級、国籍といった複数の力が同時に作用して、キャリアや賃金、チャンスの差を生んでいる。自分が立っている“地面の傾き方”が人によって違う、という当たり前の事実を、丁寧に見える形にしてくれます。 もうひとつ効いたのは、「社会問題を一つのレンズだけで捉えると、解決策も狭くなる」という指摘でした。個人を責めるでも、単純な構造批判に寄りすぎるでもなく、交差点で起きていることを一緒に見直す感じがある。分析のためだけの概念ではなく、現実の行動やコミュニティづくりの方にもつながっていくのが、この本の実践的なところだと思います。 人の経験を“ひとまとめ”にせず、複雑さをそのまま扱いたい人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの53%が集中しています。
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上野 千鶴子
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