
「未熟さ」の系譜―宝塚からジャニーズまで―(新潮選書)
周東美材
この本について
なんとなく「いま目の前で流行っているものって、どこから来たんだろう」と気になりつつも、忙しさに流されて深掘りできないまま、モヤモヤだけが残ることってありませんか。自分もテレビやアイドルを見ていて、「これって自然に生まれた文化なのか、それとも誰かが形づくったものなのか」がずっと引っかかっていました。 この本は、その曖昧な違和感を丁寧に言語化してくれます。たとえば、戦後の地政学やメディア環境が“国民的文化”を自然発生させたわけではないこと。あるいは、歌の上手さよりも「未熟さ」や「素朴さ」が価値になる背景が、偶然ではなく制度や大人たちの視線に支えられていたこと。そして、ジャニーズも宝塚も、少年少女の「未完成さ」をどう位置づけてきたかを読み解くことで、その時代の家族観や社会の規範まで立ち上がってくるところが面白いです。自分が「なんとなく惹かれてしまう理由」を、歴史の文脈から照らしてくれる感覚があります。 特に、アマチュア性が好まれた時期の空気や、子どもが“時代の触覚”として扱われていた構図に触れると、いまのエンタメを見る目も少し変わります。単に懐古や批判ではなく、「文化ってこういう積み重ねでできているのか」と静かに腑に落ちる。そんな読後感でした。 いまの流行や推し文化の裏側を、もう少し冷静に見てみたい人に刺さる本だと思います。
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多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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