
すべての子どもに「話す力」を――1人ひとりの未来をひらく「イイタイコト」の見つけ方
竹内明日香
英治出版 / 2022-05-28
この本について
人前で話す場面になると、言いたいことが整理しきれなかったり、準備した原稿にしがみついてしまったり、気づけば「伝える」より「失敗しない」ことが目的になっていること、けっこうありませんか。子どもに限らず、大人でも同じだと思います。僕も仕事で話すたび、「本当にこれ、自分の言葉になってるのかな」と不安になることがあります。 この本がおもしろいのは、話す技術を教えるというより、「自分の意見がないとそもそも心は動かせない」というところに真正面から向き合っている点です。イイタイコトを見つけるために、調べて、深めて、また選び直す……という往復作業が丁寧に描かれていて、話す力って“準備量”ではなく“思考の濃度”で決まるんだなと実感させられます。また、声が震えたり手汗が出るのは能力の問題ではなく脳の反応だという説明もあって、場数が足りない自分を責めがちな人にはかなり救いになるはずです。 もうひとつ刺さったのは、「自己開示」を大切にする姿勢です。経験や感情を少しだけ差し出すことで、聞き手の態度が変わる瞬間ってたしかにあるんですよね。子ども向けの本ではありますが、大人が自分の話し方を見直すきっかけにもなります。 学校や職場で「伝える役割」が増えてきた人、あるいは子どもの“話す力”をどう伸ばせばいいか悩んでいる人には特に刺さると思います。
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