
データ管理は私たちを幸福にするか?~自己追跡(セルフトラッキング)の倫理学~ (光文社新書)
堀内 進之介
この本について
スマホの利用時間を見て「ちょっと使いすぎだよな」と思いつつ、かといって完全に手放せるわけでもない。便利さに助けられながら、その裏で何かを失っている気もする。そんな揺れを抱えたまま日々を過ごしていると、この本が扱うテーマが他人事に思えませんでした。 『データ管理は私たちを幸福にするか?』は、セルフトラッキングを単なる「自己管理のツール」としてではなく、人間の弱さや関係性の中でどう働くのか、かなり丁寧に掘り下げています。例えば、自律性は「自分の中にある力」だけで成り立つわけではなく、外部との関係の中で育つものだという視点。便利さに頼るほど判断力が落ちていくイヌイットの事例や、デジタル記録が信頼関係を逆に弱める可能性など、見落としがちなポイントを具体的に示してくれます。自分をよく知るためのデータが、いつのまにか誰かの都合で「私の行動の可能性」を形づくってしまう。その怖さと、同時にそこからどう折り合いをつけるかが淡々と語られています。 便利さと自律のバランスに悩む人には、かなり静かに効いてくる本です。自分の弱さごと受け止めたうえで、どこまで技術に寄りかかり、どこから自分で判断するのか。その線引きを考えるきっかけを探している人に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの17%が集中しています。
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