
昭和の参謀 (講談社現代新書)
前田啓介
講談社 / 2022-07-21
この本について
仕事で判断を任されたとき、どう準備しても「これでいいのか」と落ち着かないまま走り出してしまうことがあります。しかも、いざ問題が起きると必要以上に悲観的になってしまう。頭では分かっていても、心のクセはなかなか変わらないんですよね。僕自身も同じようなループに何度もはまってきました。 『昭和の参謀』を読んで印象的だったのは、歴史のなかで実際に判断の重圧を背負ってきた人たちが、どんな姿勢で物事に向き合っていたかが、とても生々しく描かれているところです。例えば「悲観的に準備し、楽観的に対処せよ」という瀬島の言葉。これは精神論ではなく、準備段階で徹底的に最悪を想定しておくことで、起きた事態に呑まれないための“態度”として語られているのが腑に落ちました。また、判断の誤りを個人に押しつけるのではなく、組織そのものの構造を検証する視点も出てきて、ミスの原因を「人の性格」で止めない大切さを改めて考えさせられます。 さらに、参謀とは「決定権を持たない立場で、長の主観を補う存在」であるという話は、上司との距離感に悩む人にはかなり効くと思います。前に出すぎても、引きすぎてもチームが迷う。その絶妙なラインをどう保つかが、具体的な語り口で描かれていて、現代の職場にもそのまま置き換えられます。 自分の判断基準を整えたい人、あるいは「組織の中でどう立つべきか」を考えている人には、静かに刺さる一冊だと思います。
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ハイライト密度
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