
図解 葉隠―勤め人としての心意気
齋藤孝
この本について
仕事で判断に迷うとき、自分の中の基準がぶれている気がして、なんとなくモヤモヤする瞬間ってありますよね。やったほうがいい気がするのに躊躇したり、相談すべきか一人で抱え込むべきか決められなかったり。僕自身、そういう場面で動きが止まってしまうことがよくあります。 この本がおもしろいのは、「武士道」という重たいテーマを、いま働く自分たちの行動レベルに落としてくれるところです。たとえば迷ったときに、役に立つか立たないかを一度横に置いて動く、という視点。やる方向に気持ちが傾いたなら早く片づける、というリズム。さらに、一人で突っ走るのではなく、知恵のある人に相談するのが「智」であり、早めに報告するのが傷を広げないコツだという説明も、現場での判断にそのまま効きます。覚悟や胆力というと精神論に聞こえがちですが、この本は行動の細部にまで落ちているので、妙に納得できるんです。 もう一つ刺さったのは、人に意見するときのまわり道の大切さ。気質を見て、関係を整えて、ようやく本人が自分で気づけるように促す。この「急がない姿勢」は、チームで働くときに心がざらつかないための知恵としてしっくりきました。 自分の判断軸を整えたい人、あるいは「いざというときの自分」に少し不安がある人に向いている一冊だと思います。
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