
人生はそれでも続く(新潮新書) 「あれから」シリーズ
読売新聞社会部「あれから」取材班
新潮社 / 2022-08-18
この本について
仕事でも人生でも、自分の選択が正しかったのか、ふと立ち止まってしまう時があります。思い描いていた道から外れた瞬間や、意図しない出来事に巻き込まれた後、「あの時から自分はどう変わったんだろう」と考え込んでしまうあの感じです。僕もよくそこで足が止まります。 この本が面白いのは、華やかな成功談ではなく、事件、挫折、喪失、長い迷いの“その後”を淡々と追っているところです。宇宙飛行士を逃した人が別の形で知識を子どもに渡していく姿や、名前を変えざるを得なかった若者が「自分はまだ何も成し遂げていない」と静かに言う場面、研究者になれなかった青年がそれでも大きな世界への興味を失わなかった話。どれも劇的な逆転ではなく、「続けていくしかない日常の重さ」が丁寧に描かれています。 読んでいると、人生って必ずしもきれいに回収されないし、思い通りにならないまま進んでしまうことの方が多いんだよな、と妙に落ち着きます。無理に前向きになる必要もないし、変われていないように見える時間にも意味があるのかもしれません。視点が少し引いていく感覚があって、自分の過去の選択を責める気持ちがゆるむんですよね。 「頑張ってきたのに報われている実感がない」「あの出来事の意味がまだつかめていない」そんな人に静かに効いてくる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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