
モビリティX シリコンバレーで見えた2030年の自動車産業 DX、SXの誤解と本質
木村将之、森 俊彦、下田裕和
日経BP / 2022-12-16
この本について
移動や自動車まわりの議論って、どうしても「どの会社のどんな車が強いのか」という話に寄りがちですが、実際に日常で感じるのはもっと地味なところだったりします。配車が遅いとイライラするし、車内が汚いと一気に評価が下がる。仕事内容にしても、技術より“体験のほうが大事になってきている気がするけど、じゃあ自分の仕事では何を見直せばいいのか”みたいなモヤモヤが残るんですよね。 この本は、まさにその「体験に価値が移るとき、産業そのものがどう変わるか」を実例で見せてくれます。たとえば、ウーバーの車種なんて誰も覚えていないのに、ドライバーの態度や時間の正確さははっきり記憶に残る。これだけで、企業がどこに力を入れるべきかのヒントが浮かんできます。また、テスラやGMがエネルギーやデータの領域まで踏み込んでいる背景を知ると、「顧客接点を押さえる会社が主導権を握る」という構造が腹に落ちてきます。さらに、移動デマンドを細かく把握する取り組みや、エッジ側の信頼性が差別化になる話など、自分の現場にも置き換えやすい視点が多いのが印象的でした。 車に詳しい人よりも、「プロダクトより体験が重視される世界で、自分の仕事はどこを磨くべきか迷っている人」にとって、静かに効く本だと思います。抽象的な理想論ではなく、実際に起きている変化から考えられるのがありがたいところです。
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