
精神科医が教える 親を憎むのをやめる方法
益田 裕介
KADOKAWA / 2023-02-02
この本について
親との関係って、いまさらどう扱えばいいのか分からなくなる瞬間がありますよね。思い返すとモヤッとするのに、じゃあ何をどう変えればいいのかは見えないまま。自分の感じ方が正しいのかさえ分からなくて、ただ疲れてしまう。僕もずっとそこで足踏みしてきたタイプです。 この本が手助けになると感じたのは、「いま自分や親に起きていたこと」をもう少し客観的に見られるようになるところでした。うつの経過やカサンドラ状態の説明など、感情論ではなく“現象としての親子関係”を扱ってくれるので、過去を責める方向ではなく、まず状況を整理する余白が生まれます。そして、親像が少し変わると、自分の捉え方にも微調整が起きて、「ずっと自分が悪かったんだ」と決めつけていた部分にやっと風が通る感じがしました。 もう一つありがたかったのは、変わることの難しさを淡々と認めてくれる点です。人は簡単に変われないし、親も同じ。他人を変えようとするのではなく、自分の視点の偏りに気づくことからしか始まらない。その現実を押しつけではなく、診療室の温度感で書いてくれているので、読みながら無理に前向きにならなくていいところが救いでした。 親との距離感がずっと分からないまま大人になった人にほど、静かに効いてくる本だと思います。
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