
スター
朝井 リョウ
ポプラ社 / 2025-03-19
この本について
何かをつくったり、発信したり、仕事で成果を出そうとするとき、ふと別の分野や別の人を見て落ち込むことってありませんか。自分はここで必死にやっているのに、隣の世界では全然違う基準で評価されていて、つい「それは違うんじゃないか」と言いたくなる。でも、その怒りや比較の癖が、自分の首を締めている感じがする。そんなモヤモヤを抱えたまま、私も日々過ごしています。 『スター』を読んで刺さったのは、世界が細分化されている時代に、他人の土俵に口を出しても意味がないという静かな事実と、それでも素晴らしいものは越境していく、という希望のバランスでした。自分のいる小さな空間で丁寧に循環をつくること。そのうえで、想定外の相手に届いたとき胸を張れるかどうか。この視点があるだけで、比較の癖が少しゆるむんですよね。 もうひとつ大きかったのは、「昔ながらの形」を必死に描いてきた時間は無駄ではない、という言葉です。自分が信じて頑張ってきた型に価値が揺らいで見える瞬間って誰にでもあると思います。でも、そこで身についた技術や視点は、自分の星を描くときに確かに残っている。それに気づくと、今の選択にも少しだけ優しい気持ちになれました。 自分の歩幅でつくっているものを、他人の基準と比べて疲れてしまう人。そんな人には、静かに効いてくる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの24%が集中しています。
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