
信念に生きる ― ネルソン・マンデラの行動哲学
リチャード・ステンゲル, グロービス経営大学院, and 田久保善彦
この本について
仕事でも家庭でも、「本当はノーと言いたいのに言えない」「落ち着いて考えたいのに、早く答えろと言われて焦る」。そんな場面、僕もよくあります。相手を傷つけたくなくて曖昧にして、その後もっと気まずくなる…という後悔も何度も経験しました。 この本で描かれるマンデラの姿勢に触れると、その迷いに少しだけ風が通ります。彼は、誰かをがっかりさせると分かっていても、早い段階でノーを伝える。嫌な役割を誰かに押し付けない。そして、決断のスピードより「十分に考える時間」を大事にし、恐れを抱えたまま行動することを勇気と呼ぶ。その姿勢を知ると、勢いだけで進むよりも、丁寧に踏み出す方が結果的に周囲を大切にできるんだと実感します。 さらにマンデラは、人の「良い面」を信じて期待をかけることで、その人自身が変わっていくと考えていました。リーダーシップと言うと強さを前に出す印象がありますが、彼のやり方はむしろ逆で、背後から支え、必要なときだけ先陣を切る。その柔らかい強さは、職場のチームでも家庭でも、そのまま使える感覚です。 自分の未熟さに落ち込む日が続く人、あるいは「優しくあろうとして決断が遅いだけなのでは」と不安になる人に、静かに効いてくる一冊です。
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