
飽きっぽいから、愛っぽい【電子特典付】 (コルク)
岸田奈美
コルク / 2022-03-22
この本について
最近、過去のことを思い出そうとすると途切れ途切れで、しかも意味づけがうまくできないまま放置している記憶があるな…と思うことが増えました。親との関係も、昔の自分の行動も、説明しようとするとどこか嘘っぽくなる。無理に理由づけしないと落ち着かないクセがあるのに、それをやっても本当のところには触れられない感じがするんですよね。 岸田奈美さんの『飽きっぽいから、愛っぽい』を読んで、久しぶりにそのモヤモヤが少しだけ動きました。たとえば「意味のないこと」に後ろめたさを抱え始めた自分に、子どもの頃はただ楽しかっただけだよね、と別の視点を差し出してくれるところ。あるいは、母にぶつけてしまった言葉の裏側にあった「わかってほしい」という幼さを、丁寧にほどいていくところ。忘れてしまった記憶も、じつは“自分の意思で置いてきた”可能性があると示すくだりには、思わず立ち止まりました。どれもきれいな結論に回収されるわけじゃないのに、読む側の視界がじんわり変わる瞬間があります。 家族との距離の取り方に迷っている人や、「意味のある行動ばかり選んでしまう」自覚がある人には、とくに静かに刺さると思います。感情の整理術みたいな即効性はないけれど、読み終えて少し時間が経ったあとに、ふと昔の出来事を別角度から眺められるようになる本でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの39%が集中しています。
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