
君が見たのは誰の夢? Whose Dream Did You See? WWシリーズ (講談社タイガ)
森博嗣
この本について
自分の「今の人格って、結局どこから来たんだろう」とか、「昔の経験を語れと言われても、じゃあそれで何が変わるの?」みたいなモヤモヤって、仕事でも人間関係でもふと出てきますよね。説明できない自分を不安に感じたり、逆に説明できたところで何が残るんだろう、と立ち止まってしまうこともあります。 森博嗣『君が見たのは誰の夢?』は、物語という形式をとりながら、この「人格とは何か」というテーマに、かなり直球で向き合っています。特に、夢が“人格の生産”であるという会話は、綺麗な比喩ではなく、読む側の足場を動かすような感覚があります。自分という存在が固定された一つではなく、日々の体験によって増殖していくものだと捉え直すと、過去の説明に縛られすぎなくていいのかもしれない、と視界が少し広がります。また、「相手がどう認識しようと、自分の価値は変わらない」という一文に、肩の力が抜けた人も多いはずです。 物語の中で語られる設定はSF寄りですが、そこで扱われている感覚は、案外いまの私たちの生活に近いところにあります。 「自分の正体を言語化しようとして疲れがちな人」には特に刺さると思います。物語を読むというより、思考の枠を一回外してくれるような時間でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの50%が集中しています。
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