
移民と日本社会 データで読み解く実態と将来像 (中公新書)
永吉希久子
中央公論新社 / 2020-02
この本について
移民について考える時って、「肯定か否定か」みたいな二択の空気に巻き込まれてしまって、結局なにが現実なのかよく分からないままモヤッとしませんか。自分もニュースを追うほど混乱が増していって、議論がかみ合わない理由すらつかみにくかったんですが、この本はその霧を静かに晴らしてくれました。 印象的なのは、移民の動きが“個人の選択”だけでは説明できないという視点です。企業の需要、国家同士の関係、歴史の積み重ね、仲介業者の存在…読者が抜き出していた部分にあるように、「移住は作られる」という考え方が入ってくると、ニュースで見える出来事の背景が一気に立体的になります。また、第二世代の地位達成や社会のまとまりといった、時間軸の長い問題にも触れていて、短期の賛否だけでは語れない現実があることも見えてきます。 自分はこれを読んで、「受け入れるかどうか」より前に、そもそも日本社会がどういうルートで今の形になっているのか、その前提を知らなかっただけなんだなと気づかされました。過度に楽観もしないし、絶望もしない、そんな距離感がちょうどいい。 移民の話題になると息苦しさを感じてしまう人、あるいは“語る前の足場”を持ちたい人には特に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの52%が集中しています。
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